「キサラギ」

 D級グラビアアイドル・如月ミキが焼身自殺して1年。如月ミキファンサイトで知り合った5人が、とあるビルのペントハウスで追悼オフ会を行う。集まったのはサイトの主催者・家元(小栗旬)を初めとして、オダ・ユージ(ユースケ・サンタマリア)、安男(塚地武雅)、スネーク(小出恵介)、イチゴ娘(香川照之)。
 ファン同士楽しくやろうとしていたオフ会だが、そのうち話はミキの死の真相に及ぶ。ミキは本当に自殺? それとも殺されたのか? そして、すったもんだの末に彼らがたどり着いた真実は……。


 これは事前に情報を入れずに見た方が楽しめる映画だと思いますので、以下、未見の方は読まない方がいいです。
(ネタバレ要素あり)


 キャストだけで結構期待していたワンシチュエーションドラマです。この手のドラマは1に脚本、2にキャストの演技が重要なんですが、これが両方ともよかった! 細かな伏線があちこちに張られ、そしてくすっと笑えるシーンもちりばめられてる。またキャストに役がはまってて、舞台はほぼ一室のみ、時間も実質的に一日経ってないのに、ちっとも飽きさせない。ミステリ的な要素もあるんですけど、例えて言えば『黒後家蜘蛛の会』みたいなキャラ同士の掛け合いで見せる短編ミステリを思わせます。
 以下、キャラ別+αで。

  • 家元=小栗くん。アイドルヲタにしてはちとかっこよすぎないか? と思ってたら、どうやら彼は警察内ではいぢめられっ子のようで。きっと彼もミキちゃんの笑顔でがんばってたんだろうな。最初は自分がミキちゃん一番のファンでエキスパートだと思ってたんだろうに、みんなの正体が明かされていじけてるのが何だか可愛かったです。
  • オダ・ユージ=ユースケさん。まずこのHNがすでにギャグだったりして。最初は彼が名探偵っぽく振舞ってるので、「おまえ、実は『踊る大捜査線』の人だろ」と思ってました(笑)。あのデブッチャー姿も本人? なんだろうな多分。
  • 安男=塚地さん。彼が持って来たアップルパイ、劇中でははっきり言ってなかったけど、多分あれは「お菓子作りの好きな」ミキちゃんが作ったものなんだろうな。確かにジョニデをあの方向から見たことはないけど、実物を見てもやっぱり違うと思うぞ(笑)。
  • スネーク=小出くん。お調子者キャラで、結構飛ばしてました。「のだめ」の真澄ちゃんのアフロもそうだけど、ああいうヅラ演技をしちゃう辺り、見所があります(何の?)。「きみにしか聞こえない」を見れてたら、ギャップでもっと笑えたかも知れない。
  • イチゴ娘=香川さん。実はこの人を見に行ったと言っても過言ではない今日この頃、期待通りキモ可愛かったです(誰が何と言おうとほめてます)。イチゴ娘は劇中一番立場の変化が激しいキャラなので、香川さんの演技力は必要不可欠だったと思います。でも、あの見守り方は正直どうかと思うよ(笑)。
  • 如月ミキちゃん。5人がたどり着いた真相は推測でしかなくて、本当のところはわからないけど、それでも真実はあった。この5人が彼らそれぞれの立場で、彼女を愛していたこと。彼女自身が自覚してたかどうかは別として、彼女は確かに愛されていた。そういう意味では、如月ミキって幸せな子だったと思います。
  • 最後にみんなでミキちゃんの歌に合わせてダンス(というかヲタ芸?)! 皆さん、超ノリノリ。あまりにインパクトがありすぎて、後でかかった本当の主題歌がちょっと気の毒になりました(笑)。
  • ジョーはジョーでも宍戸錠。あ……あんなところに? と思ってたら……。あの上まだ秘められた事実を知っているのかジョー!?

 笑えて、ちょっぴりしんみりさせられて、サスペンスもあって、話として上手くまとまってて。いい映画でした。